北区北福祉区民生委員児童委員協議会(以下「北福祉区民児協」という。)では、令和5年10月27日(金)、建部町文化センターにおいて「令和5年度 北区北福祉区民生委員児童委員協議会全体研修会」を開催しました。
今年度の研修会では、令和4年度小・中学校における不登校の児童生徒数が約30万人と過去最多となる等、依然として不登校の児童生徒数の増加が続いていることに鑑み、笠岡市の離島飛島(ひしま)において不登校生徒の「安心した居場所」づくりに取り組んでいるフリースクール育海(HUG-K-UMI)の代表堂野博之氏を講師にお迎えして、「暮らしのすべてが学びの学校 〜フリースクール育海の離島留学 〜」という演題でご講演をいただきました。
講師の堂野氏は、1970年生まれの兵庫県出身。ご自身も小学4年生から中学3年までの5年間不登校だった経験をお持ちです。1998年にその5年間の不登校とそれから立ち上がっていくときの思いを綴った詩画集『あかね色の空を見たよ』を出版。この本は大きな話題呼んで、2000年には映画化もされました。2018年から笠岡市の地域おこし協力隊の隊員として、単身飛島に移住。2021年4月にフリースクール育海を開校されました。今年3月に初めての卒業生7人が巣立ったそうです。
講演では、「子どもたちが自ら考え、生活をつくっていくことを大切に」するフリースクール育海の考え方、離島で生活する子どもたちの様子、子どもたちと人口20人、高齢化率95.5%の島民たちとの交流、そして離島留学を修了して卒業する子どもたちの様子が紹介されました。加えて、堂野氏自身の5年に及ぶ不登校期の葛藤から、高校に入り仲間や先生、周りの人たちの支えを得て人生の希望を見いだすまでのお話もうかがうことができました。ときに感極まりながらのお話は感動的で、改めて不登校の深刻さとフリースクールのような取り組みの意義について考えるきっかけになったと思われます。
今回の研修会には、北福祉区民児協を構成する8地区の民児協から民生委員・児童委員及び主任児童委員約150名の参加がありました。
また、当日は有志によるフリースクール育海への「支援品」の呼びかけがあり、集まった米、野菜、果物等の「支援品」を堂野氏に託けました。
○ 参考情報:令和5年度 北区北福祉区民生委員児童委員協議会全体研修会チラシ